居酒屋「いつもクロス」は、今日も満席。 看板犬のポメラニアン・ハッピーは、なぜか両前足でジョッキを掲げて叫んだ。 「かんぱーい!ワン!」 客たちは「犬が乾杯するな!」とツッコミを入れつつも、なぜか全員ノリノリで乾杯。店内はすでにカオスである。 そこへ――天井から突然、バナナの房がドサドサと降ってきた。 「サービスか!?」 「いや、バナナの神の怒りだ!」 「どんな神だよ!」 客たちは大騒ぎしながらも、ちゃっかり皮をむいて食べ始める。だが、ひとりが気づいた。 「……おい、なんで片方だけなんだよ!」 確かに、バナナの房は右半分だけ。左半分はどこかへ消えていた。店内は一瞬シーンとなる。 そのとき、奥の席から立ち上がったのは――頭がテレビの男。画面には「正解!」の文字が点滅している。 しかも着ているのはバナナ柄のシャツ。両手にはビールのジョッキ。 「片方だけなのは……バランスを取るためだ!」 「いや、意味わからん!」 「そもそも誰だお前!」 客たちの総ツッコミを浴びながらも、テレビ頭は堂々と続ける。 「人生は常に片方を選ぶもの!バナナも同じ!正解!」 画面がピカピカ光り、店内は爆笑の渦に包まれた。 ハッピーは尻尾を振りながら、再びジョッキを掲げる。 「かんぱーい!ワン!」 こうして「いつもクロス」の夜は、犬とバナナとテレビ頭によって、ますます意味不明に盛り上がっていったのであった。